生命保険、そのままで大丈夫?見直しの基本とポイントを分かりやすく解説

「そういえば、昔入った生命保険、そのままになっているな…」
「結婚して家族が増えたけど、今の保障内容で十分なのかな?」
日々の生活に追われていると、つい後回しになりがちな生命保険のこと。加入したときは真剣に考えたはずなのに、時間が経つにつれて内容を忘れてしまったり、今の自分や家族にとって本当に合っているのか、ふと不安に思うことはないでしょうか。
この記事は、そんな漠然とした不安を抱えるあなたのために、生命保険を見直すとはどういうことか、その基本と具体的なチェックポイントを、専門家の視点から分かりやすく解説するものです。
読み終える頃には、ご自身の保険に対する理解が深まり、「わが家も一度確認してみよう」と、前向きな一歩を踏み出すきっかけが得られるはずです。難しい専門用語は使わずに、一つひとつ丁寧にご説明しますので、どうぞリラックスして読み進めてくださいね。
なぜ生命保険の見直しが必要なのでしょうか?
そもそも、なぜ一度加入した保険をわざわざ見直す必要があるのでしょうか。それは、私たちのライフステージ(人生の段階)が変化するにつれて、必要となる保障の内容や大きさが変わっていくからです。
若い頃に買った服が、今の自分にはしっくりこないことがあるように、保険もまた、その時々の状況に合わせて最適化していくことが大切なのです。
例えば、独身時代はご自身の病気やケガに備える医療保険だけで十分だったかもしれません。しかし、家族を持つと、もしもの時に遺された家族の生活を守るための「死亡保障」の重要性が増してきます。
見直しをしないまま放置してしまうと、
保障が不足していて、いざという時に十分な保険金が受け取れない**
逆に、保障が過剰で、毎月必要以上の保険料を払い続けている**
といった事態に陥る可能性があります。生命保険は、あなたとあなたの大切な家族を守るための大切な備えです。だからこそ、時々立ち止まって、中身を確認する時間を持つことがとても重要になります。
見直しのベストタイミングはいつ?具体的な5つの場面
では、具体的にどのようなタイミングで見直しを検討するのが良いのでしょうか。一般的に、以下の5つの場面が代表的な見直しのタイミングと言われています。
1. 結婚したとき**
独身時代とは異なり、パートナーの生活を守るという視点が必要になります。お互いにもしものことがあった場合、残された側の経済的負担はどれくらいか、どのような保障があれば安心できるかを話し合う良い機会です。
2. 子どもが生まれたとき**
最も大きな見直しのタイミングです。お子さんが経済的に自立するまでの間、教育費や生活費を誰が支えるのか。万が一のことがあっても、お子さんの未来を守り抜くために、必要十分な死亡保障を準備する必要が出てきます。
3. 住宅を購入したとき**
多くの方が住宅ローンを組む際、「団体信用生命保険(団信)」に加入します。これは、ローン契約者が死亡または高度障害状態になった場合に、ローンの残債が保険金で支払われる仕組みです。団信に加入することで、住居費に関する保障は確保されるため、それまで加入していた死亡保険の保障額を少し見直せる(減額できる)可能性があります。
4. 子どもが独立したとき**
手厚く準備していた教育費や養育費のための死亡保障は、その役目を終えつつあります。これからは、ご自身の老後資金や、パートナーと二人の生活を守るための保障へと、目的をシフトしていくタイミングです。保障額を減額し、その分を貯蓄やご自身の医療・介護への備えに回すという考え方もあります。
5. 定年退職を迎えたとき**
現役時代に比べて収入が変化し、必要となる生活費も変わってきます。高額な死亡保障の必要性は低くなる一方で、医療や介護への備えはより重要性を増してくるでしょう。この時期に保険全体を整理し、老後の生活に合ったスリムな保障内容に組み替えることを検討したいところです。
【見直しポイント1】保障額は今のあなたに合っていますか?
見直しを始めるとき、最初に確認したいのが「保障額」です。これは、もしもの時に受け取れる保険金の金額のこと。特に、死亡保障額が現在の家族構成やライフプランに対して適切かどうかを見ていきましょう。
この「必要な保障額」を考える上で、一つの目安となる計算式があります。
> 必要な保障額 = 遺された家族の支出の見込み額 − 遺された家族の収入の見込み額
「支出」**には、生活費、お子さんの教育費、住居費などが含まれます。
「収入」**には、遺族年金などの公的保障、パートナーの収入、貯蓄などが含まれます。
この計算は少し複雑に感じるかもしれませんが、「もし自分がいなくなったら、家族はどれくらいのお金で、何年間生活していく必要があるだろうか」と想像してみることが第一歩です。
生命保険文化センターの「令和3年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、世帯主が万が一の場合の必要生活資金は、平均で月々21.7万円とされています。また、死亡保険金の平均額は約2,029万円というデータもありますが、これはあくまで平均値です。
大切なのは、平均に合わせることではなく、「わが家」にとっての必要額を考えること。** お子さんの進路希望や、パートナーの働き方など、ご家庭ごとの状況によって必要額は大きく変わります。
お子さんが小さいご家庭** → これから教育費がかかるため、比較的高額な保障が必要になる傾向があります。
共働きで、お互いに十分な収入があるご家庭** → パートナーの収入で生活を維持できる分、保障額は少し抑えられるかもしれません。
独身の方** → ご自身の葬儀費用やお墓代など、身辺整理のための資金として300万円程度を備えておくと安心、という考え方があります。
まずは保険証券に書かれている現在の死亡保障額を確認し、それが今のあなたの家族構成や想いと比べて、多すぎないか、少なすぎないかを考えてみましょう。
【見直しポイント2】保障期間はいつまでですか?
次に確認したいのが「保障期間」です。これは、保障がいつまで続くかという期間のこと。生命保険は、保障期間によって大きく2つのタイプに分けられます。
定期保険:10年、20年、あるいは60歳まで、65歳までといった一定期間**を保障するタイプです。「掛け捨て」とも呼ばれ、保険料が比較的割安なのが特徴です。
終身保険:保障が一生涯**続くタイプです。貯蓄性も兼ね備えている商品が多く、保険料は定期保険に比べて割高になる傾向があります。
どちらが良い・悪いということではありません。それぞれの特徴を理解し、目的に合わせて組み合わせることが理想的です。
例えば、「子どもが独立するまでの20年間だけ、手厚い死亡保障が欲しい」という目的であれば、割安な保険料で高額な保障を準備できる定期保険が合理的です。
一方で、「人生のお守りとして、葬儀費用など最低限の備えは一生涯持っておきたい」ということであれば、終身保険がその役割を果たしてくれます。
現在の保険が「いつまで」保障してくれるのか、その期間はあなたの目的に合っているかを確認してみてください。特に、定期保険に加入している場合は、「更新」のタイミングに注意が必要です。更新すると保障は継続できますが、その時点の年齢で保険料が再計算されるため、一般的に保険料は上がります。気づかないうちに、保険料が大きな負担になっていた、ということもあり得ますので、保障が終わる年齢(満了年齢)は必ずチェックしておきましょう。
【見直しポイント3】保険料の負担は重すぎませんか?
保障内容がいくら充実していても、保険料の支払いが家計を圧迫し、日々の生活を苦しくしてしまっては本末転倒です。生命保険は、無理なく「払い続けられる」ことが何よりも大切です。
一般的に、手取り収入に対する保険料の割合は、5%〜10%程度が目安と言われることがありますが、これも家庭の状況によって様々です。
もし、現在の保険料負担を「重いな」と感じているのであれば、見直しの良い機会です。
不要な特約(オプション)がついていないか?**
加入時に勧められるがままにつけたものの、よく見ると必要性の低い特約があるかもしれません。一つひとつ内容を確認し、不要なものは外すことで保険料を抑えられる場合があります。
保障額は過剰になっていないか?**
【ポイント1】で確認したように、ライフステージの変化によって、必要な保障額は変わります。子どもが独立したのに、現役時代と同じ高額な保障のままになっていないか確認してみましょう。
新しい保険商品と比較してみる**
保険商品は日々進化しており、数年前に加入したものと同じような保障内容でも、より割安な保険料で加入できる新しい商品が出ていることもあります。
ただし、保険料の安さだけで新しい保険に飛びつくのは禁物です。新しい保険に加入する際は、改めて健康状態の告知が必要になります。持病などがあると、加入できなかったり、条件が付いたりすることもあります。今の保険の良い部分を活かしながら、不要な部分だけを見直す「減額」や「特約の解約」といった方法も有効です。

まとめ
ここまで、生命保険を見直すための3つのポイント(①保障額、②保障期間、③保険料)について解説してきました。
生命保険の見直しは、決して難しいこと、面倒なことではありません。それは、今の自分と家族の暮らしを見つめ直し、未来への想いを再確認する大切な時間です。
完璧な答えを一度で見つける必要はありません。まずはご自身の保険証券を一度手に取って、「わが家には、どんな保障が、いつまで、いくら準備されているのかな?」と確認するところから始めてみませんか。
もし、ご自身で判断するのが難しいと感じたり、専門家の客観的なアドバイスが欲しいと思ったりしたときには、信頼できるファイナンシャル・プランナー(FP)などに相談してみるのも良いでしょう。
この記事が、あなたの漠然とした不安を解消し、安心で豊かな未来へとつながる第一歩となれば、これほど嬉しいことはありません。